技術推進グループ長に聞いてみた・前編 「全社横断の技術アドバイザー」

エス・エム・エス テックブログ運営の小林と樽本です。前回の田辺さんインタビューに続いて、「エス・エム・エス社員に訊いてみた」第二弾は弊社の技術推進グループ長である光宗さん( @mitz )です。


光宗朋宏 Tomohiro Mitsumune
-技術推進グループ グループ長
Ex. DeNA


Q1.現在所属している技術推進グループの具体的な業務内容を教えてください

本日はよろしくお願いいたします。一つ目の質問として、光宗さんが現在所属している技術推進グループでは具体的にどんなことをやっているか教えてください。

現在技術推進グループというグループに所属しています。グループには四人いて、全員がバラバラの業務やタスクを行なっている状況ですね。各メンバーごとに得意な領域、例えばインフラとか、アプリケーションとかを持っていて、様々な角度から依頼が技術推進グループに来ます。依頼の内容は、各種サービスの改善や業務効率化、解決のレベルが技術的に高い課題などがあり、R&D(Research & Development)的な側面を持っています。

具体的な最近の業務だと、ハピすむというサービスのAWS寄りのインフラ周りのSRE業務を1年半くらいやっているメンバーがいたり、僕が手伝っているものだと、カイポケリニューアルのアーキテクトチーム(技術的方向性、技術選定)の話し合いに参加して知見を出し合っています。このプロダクトは、数人単位の複数チームがバラバラに仕事をしているので、ルール決めだったり方向性だったりを落穂拾い的に決めています。その中でも僕はAWS、フロントエンド周りで活動しています。

過去の業務で言うと、一つのプロダクトの機能改善よりも、もっとインパクトのあることをすることが多く、例えばカイポケのオンプレからクラウド移行時に「そもそもどう進めていけばいいか」の検討から入るPM的なこともやっていました。 他にもプロダクトを限定せず、例えばMySQLのパフォーマンスがめっちゃ落ちた時はパフォーマンスチューニングをひたすらやっていたり、サービスにNew Relicを導入して改善ポイントを指摘したり、カイゴジョブのフルリニューアルをする際にプロダクトオーナーをしたり、社内で元々あった技術的負債が多すぎたサービスのフルリニューアルを手伝ったりしています。開発リソースが少ないところの技術アドバイザー的なことをやっていたりが多かったです。

(インタビュアーがたまたま中途面接の時に光宗さんに面接を担当してもらっていたので) 入社から2年経ちましたが、社内事情を知ってから光宗さんの話を聞くと、かなり横断的に業務を行なってらっしゃるのが鮮明に想像できますね…。面接で初めてお会いした当時からフルスタックエンジニアのイメージが強いです。

開発に関係ないところで呼ばれたりもしますからね。バックオフィスとか、法務やコンプライアンスを担当する部署とか…。

どういった背景でそういう場所から呼ばれるのでしょうか?

例えば法務やコンプライアンスを担当する部署の話だと、グループ長の方から「こういうことをやりたいんだけど、エンジニア目線でどうだろうか」っていう感じでお話を受けて、「実際に手伝ってくれ」と相談された流れのまま手伝うことが多いです。インフラ周りの話が多いですね。

実際に手を動かしたものの話だと、数十を超えるサービスのプライバシーポリシーやサイト規約みたいなものって、元々はワードファイルで個別管理されていたのですが、それをGCP上で管理できるような社内システムを作ったりもしました。

バックオフィス系で軽いところだと、外部のクラウドソーシングのリソース管理をスプレッドシートでやっていたものを、スプレッドシートのイベントフッキングを使用して社内のチャットツールに連携する仕組みを作って業務効率化したりしていました。

一般的なエンジニアよりもかなり広いことをやられているのですね。全社的に困っているところにスポットで入って、改善していくみたいな…。

そうですね。エス・エム・エスに入社する前はエンジニア一人、デザイナー一人、PM一人みたいな状況で仕事をすることが多かったので、「なんでも自分でやらざるを得ない」みたいな経験を積んできましたこともありますし。

技術推進グループのメンバーも光宗さんみたいなご経験を積んでこられた方が多いのでしょうか?

それぞれキャリアパスは違いますが、幅広く経験して来られた方が多いです。インフラに強いメンバーだと、toC、toBの大きな企業にいた方とか。

なるほど、異なったキャリアパスを歩みつつも、幅広い経験を持った方が多いと。 メンバーは各自バラバラに仕事されていると伺いましたが、ペアとかで一緒に仕事されることはあるのでしょうか?

ペアっていうのはありませんが、定例MTGみたいなのはあって各自進捗とか状況を共有することはあります。その時に、各自の得意な領域を背景に、チームメンバーにアドバイスしたりすることはありますね。

各メンバーがそれぞれ別々の仕事を行なっていく、というのは自走力というか一人で完結できる能力をもってないと難しそうですし、皆さんきっと高い能力をお持ちなのだろうなと思いました。

そうですね、プレイヤーとして一通りはできて、何かしら得意領域がある方達ですね。 それと単に技術ができるだけではなく、技術がわからない人や、特定のレイヤーに弱いエンジニアに対してわかりやすくコミュニケーションを取る必要があるので、そういったことができないと技術推進グループのやっている仕事的には辛いものがあると思います。 わかりやすく説明するにはかなり高度なスキルが要求されますが、技術推進のメンバーはそこらへんができる人が集まっています。

Q2. 弊社に入社を決めたきっかけは?

二つ目の質問です。エス・エム・エスに入社することを決めた「決め手」みたいなのはあったのでしょうか?○○さんが在籍していたからとか...。

内部の状況は色々聞いていたのでよく知っていたのと、面接の中でCEOの後藤さんと話をする機会があって、それが決め手になったかもしれないです。面白いCEOだなという印象でした。 他の会社の話を聞いた時にも、割とCTOやCEOが出てきてくれて話をする機会が多かったのですが、その中でも面白い人だな、と思って、そこに惹かれたのが大きいですね。

前回インタビューした田辺さんも入社したきっかけに後藤さんをあげていたような記憶がありますね。具体的に後藤さんのどの辺が面白い人だったのでしょうか?

CEOとしての視点だけではなく、現場感も大きく持っていて、すごく高性能なCPUを搭載している気さくな人、という点でしょうか。普通の会話の中で、「この人すごいな」と思わせるところがどこかありました。

頭の回転が早い、とかですか?

頭の回転も早いし、とてもロジカルです。いろんなことを抽象度高く話せる人ですね。そこに惹かれたところがあります。 エンジニアでグレードの高い人は確実に後藤さんの面接が入るので、「後藤さんから見たエンジニアは?」みたいな話を聞いてみても良いかもですね。

Q3.光宗さんの思う弊社の魅力は?

三つ目の質問に移ります。面接というフィルターを除いた時、エンジニアとして光宗さんが思う弊社の魅力ってどんなものがあるのでしょうか?

結構あるのですが、1つは「技術的な選定において、担当の開発チームに主導権/決定権があること」ですかね。 実際に社内でJavaだったりRubyだったりPHPだったりGoだったりいろんな言語が使われているのはそれを表していますし、魅力的だなと思えるポイントです。

2つ目は、「プロダクトに対するエンジニアの裁量権が大きい」ことですね。個々のチームの規模が小さい傾向にあるので、プロダクトを開発する上でただコードを書くだけではなく、プロダクトをどうしていくのか、という根幹部分にも関わっていくことができます。 当たり前のことを言っているようですが、これが実現できていない組織は多いです。 また、「プロダクトが社会的貢献性の高いものである」ことも魅力だと思います。

確かに、自分も常々感じています。最終的なアウトプットさえ帳尻が合えば、そこに至るプロセスは問われないですね。チームごとに使っているツールが違いますし、開発スタイルも委ねられている印象があります。

僕は前職大手ソーシャルゲーム企業だったのですが、そこだと「エンジニアはコードだけ書いていればいい風潮」がありました。それを突き詰めたい人にはいい環境だと思うのですが、エンジニアとしてビジネス、プロダクトに大きく関わっていきたい場合は弊社の方がフィットしているのかなと思います。

プライム上場企業でありながらベンチャーっぽい、というのは一つの特徴ですね。

新しい技術にチャレンジできる環境やプロダクトに対する意思決定のチャンスが魅力だということですね。

僕はそこら辺が好きなんですが、あまり自由にしすぎると会社として管理していけなくなってしまうので、最低限のルールは必要だと思っています。非常に難しい問題ですが...。

(後編 ↓ へ続く)

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