「介護固有の業務」以外の業務知識も役に立つ:基幹系システムの「何でも屋」から介護事業者向けSaaSのプロダクトマネージャーへ

はじめに

はじめまして。2022年4月より、介護事業者向け経営支援サービス「カイポケ」のプロダクトマネージャー(以下PdM)としてエス・エム・エスに参画した小場(コバ)です。

今回は、前職で基幹系パッケージ製品開発に携わっていた私が、どのような経緯でカイポケのPdMになったかについてお話ししていこうと思います。 よろしくお願い致します。

前職の仕事について

前職では自社開発の人事統合パッケージ製品を企画する立場にあり、世間で「基幹系エンジニア」と称されるSEをしていました。

扱っていた人事統合パッケージには、人事管理(従業員の個人情報管理、配属及び移動処理、採用・退職処理、考課など)、勤怠管理(残業時間や有給取得状況の管理、シフトの作成など)、給与計算(月々の給与・賞与計算、年末調整、源泉徴収票の発行、所得税や控除項目の計算など)の機能があり、人事部や労務・給与担当者、採用担当者など多彩なステークホルダーの要望に応える必要がある製品でした。 元々は開発エンジニアであったことから、次期製品バージョンに入れ込む新機能や頻繁に発生する法改正にプロダクトとしてどのように対応・設計-実装していくかについて考える、所謂「製品企画」をメインミッションとしていました。

新しいチャレンジ(企画)をする際には、事前にその効果を検証する作業や、オフショアを含めた開発チーム内への情報連携、上司や決裁権者へ開発内容を説明する必要もあったため、必然的にチーム内で手薄だった領域のキャッチアップを行う担当になることが多くありました。

主な例としては「UI改善を行う上で必要となるコンセプトの立案」や「DBのパフォーマンスチューニング」、「AIを用いた機能の開発」、「オフショア先の管理」など多種多様なもので、製品企画と言いつつも新しいことを始める上で要員や技術スキルの調達が追いつかなかった時にはエンジニアやプログラマーとしての仕事もこなす「何でも屋(何でもやらざるを得ない屋)」のポジションにいました。

製品企画というファジーなポジションで幅広く、様々な経験をさせてもらった点は前職に感謝しております。

転職を考えたキッカケと転職の方針

30代後半に差し掛かり自身の今後のキャリアを考えた際に、以下の点に不安を感じるようになったことがキッカケです。

各々の要点に対して、お世話になった転職エージェントの方と共に方針を立て転職活動を進めました。

①ITに関わる人間としてオンプレミスのパッケージ開発経験のみで今後大丈夫か?

SaaS 型の製品や SaaS を用いたビジネスに携わる経験をすると共に、 SaaS におけるシステムのライフサイクルについて理解を深めたいと感じました。好きか嫌いか/合う合わないはやってから考えることしました。

→ SaaS 型の製品・ビジネスを展開している企業を転職先のターゲットとして見据えるようにしました。

②良くも悪くも『何でも屋』過ぎてアピールポイントが分かりにくい。

中途採用の面接において、ほぼ100%質問される自身の長所について、スペシャリストよりもゼネラリストよりのスキルセットになっていることに気づかされました。

→現状の全方位型のスキルセットを生かしつつ、重心をずらすことで特徴を出していく方向で職種を探すようにしました。

また、製品に対してより広い範囲でオーナーシップを持って活動できる職種を考慮したところ、 PdM が一番理想としている形に近い立ち位置の職種であると感じるようになりました。

③前職の「基幹系」というビジネスドメイン色が強かったためか、同業種からのオファーが非常に多かった。

基幹系システムを取り扱う企業からドメイン知識をベースとした転職オファーが圧倒的に多く、仮にそれらの企業に転職したとしても環境や取り扱う製品を変えるだけの転職になる可能性が高い(仕事としてのミッション自体は前職と代り映えしない)と感じていました。

→基幹系以外のビジネスドメインの企業の中で、基幹系機能の知識を活かせる業務特化型ビジネス(メインの機能の他に、事業を運営する上で必要となる業務を行う基幹系機能が携わっている製品)を展開している企業をターゲットとすることとしました。

この大まかな3方針を軸として、より社会的に課題感がある領域に対して挑戦することができる企業を探すことにしました。

エス・エム・エス/カイポケとの出会い

そんな中、転職エージェントから紹介された企業の1つがエス・エム・エスでした。

エス・エム・エスは少子高齢化が進む日本において、「介護事業者の経営改善とサービス品質の向上に貢献する」ことをミッションとして掲げており、「カイポケ」という SaaS プロダクトのPdM職が上記の①、②の方針を満たしていました。

同時に世界で一番少子高齢化が進む日本で、この社会課題の解決に取り組むことは仕事をする上で意義のあるものだと感じました。

カイポケは「ケアプラン作成・連携」、「実施した介護の予実管理」、「予実を基にした保険料請求の支援」機能といった介護事業者の業務を支援するプロダクトです。

また、カイポケは上記の介護事業特有の業務に関わる機能以外に、介護事業者が事業を運営するために必要となる機能(世に言うところのERPのような機能)を多数サポートしており、前職で関わっていた「給与計算」、「勤怠管理」、「シフト作成」等の経験や知識がカイポケであれば活かせるかもしれないと感じたことが決め手となりました。(上記の③の方針に該当)

現在の業務について/カイポケの開発現場について

現在は(当初の転職の方針通り)カイポケのPdM職として、給与計算や勤怠管理といった「介護以外の機能」について、今後のカイポケのあるべき姿を考え-実現する役割を担当しています。

入社の段階では肝心な介護に関する知識が0の状態であったため、オンボーディングや社内に在籍している有識者に意見を求めることで知識を補完してプロダクトを形にしていっています。

例えば、介護事業者の給与計算において、介護職員に対して介護報酬を加算して支給する制度(この制度の事を「処遇改善加算」と言う)があり、持ち合わせていた給与・労務管理の知識に介護ドメイン特有の知識を組み合わせることで、より理解が深まるという経験をすることができました。

また、入社当初はテレワーク主体でのオンボーディングに不安を感じておりましたが、上記のようなフォローもあり、違和感なく業務に入っていくことが出来たという印象です。

カイポケの開発現場の雰囲気については、転職者が多く在籍しており、私のように前職のビジネスドメインが介護ではないというメンバーの方が多いという印象です。

逆に様々なバックグラウンドを持つメンバーが揃っていることによって発生しているシナジー効果を感じると共に、多様なタイプ/働き方のスタンスのメンバーを受け入れることができるエス・エム・エスの懐の深さを感じています。

最後に

私のような基幹系エンジニア出身であっても、「介護の知識」をキャッチアップしつつ、「介護以外の領域」で手腕を振るう事ができる点は、介護事業者に対して包括的に機能提供をしているカイポケならではの魅力であると感じています。

「介護」という言葉を意識せずに、話を聞いてみると「畑違いの経験」を活かすことができる可能性や共通点など、思わぬ発見があるかもしれません。

この度は基幹系エンジニア→カイポケのPdMの話ではございましたが、現在弊社ではPdM、エンジニア、EMなどプロダクト関連職種を広く積極採用中です。 もし弊社に興味をもっていただけましたら、ぜひカジュアル面談にてコンタクトをとって頂ければと思います。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。