スマホアプリからSaaSへ、私がエス・エム・エスを選んだ理由

2023年1月にエス・エム・エスに入社した荒巻です。現在、介護事業者向け経営支援サービス「カイポケ」のフロントエンドのエンジニアリングマネージャーを担っています。これまでは組み込み開発やモバイルアプリなど、興味のままに関わってきました。自分のキャリア観は5年ごとくらいで徐々に変化しているように感じており、転職にあたり、その変遷と、なぜエス・エム・エスなのか、ということについて書いてみたいと思います。

サービス志向に至るまで

キャリアの初期には、とにかく技術的なことに興味がありました。学生時代は日本の製造業の絶頂期で、NHKスペシャルの「電子立国 日本の自叙伝」に感化され、「世界中で使われるデバイスを作ることこそが世の中の役に立つことである」という認識を持っていました。とはいえハードウェアは専攻していなかったため、組み込み業界でファームウェアを書くところからキャリアをスタートしました。製造業ではハードウェアがソフトウェア開発を主導しており、モノを作っている感覚がありました。無線のプロトコルやCPUの開発などに携わることができ、技術的な好奇心はある程度満たされました。

そうこうしているうちに、世の中では「Software is eating the world」に象徴されるように、ソフトウェアやサービスからハードウェアが生み出される流れになってきていました。そこで、自分の目標を「自分でも使いたくなるようなサービス開発に携わりたい」にアップデートしました。使いたい技術を使うよりも顧客やユーザーの問題を解決するほうが重要であるという意識が強まってきたこともあり、webやスマートフォンアプリの開発にスイッチしました。

グローバル企業で感じた壁

いくつかのアプリ開発を経験後、スマートニュース株式会社に入社しました。いくつかの施策が成功して会社が急成長し、グローバル企業となりました。優秀な英語話者が大量に入社してきて、いわゆるベイエリアのスタイルが導入され、王道のプロダクト開発を行えている実感がありました。エンジニアリングマネージャーも経験することができ、多くのことを学ぶことができたと同時に、いくつかの壁を感じることにもなりました。

一番大きなギャップは英語力です。それなりに英語力がついたものの、日本語力とは大きな隔たりがありました。自分はボトムアップで考えがちですが、英語だと語彙力が足りないので、まず日本語であれこれ考えてから抽象化し、英語に変換してからGrammarlyで修正するような毎日を送っていました。会社にさらなる貢献をしたいとは思っていたものの、チーム内の責務からはみだしたことに挑戦するには英語力が不足していました。

また、それまで大きな組織でのプロダクト開発の経験がなかったこともあり、プロダクト開発のベストプラクティスや組織づくりに関する知見がまだまだ足りない状態でした。そのため、英語とプロダクト開発の二重のギャップがあるように感じてきていました。

スマホアプリからSaaSへ

グローバルエンジニアになりきれてはいないものの、グローバルエンジニアになることが目的化しつつあるように感じていました。それよりも足場を固め、プロダクト開発に貢献することを考え始めました。

社内では数多くのSaaSを利用しており、BtoCのスマホアプリから見て、SaaSのビジネスモデルは魅力的に映りました。BtoCのサービスはユーザーベースは大きいものの、「ユーザーはユーザーのことを知らない」と言われたりします。せっかく開発した新しい機能も、A/Bテストを実施した結果、ユーザーの興味を惹くことができなければ正式リリースしない、というようなこともよくあります。一方BtoBのSaaSでは、日々のビジネスオペレーションの一翼を担っており、ユーザーが切実に必要とする機能を開発していけるのではという期待を持ちました。そのようなタイミングでエス・エム・エスから声をかけてもらい、転職を決めました。

エス・エム・エスに入社してみて

現在、介護事業者向け経営支援サービス「カイポケ」のリニューアルプロジェクトに従事しています。(詳しくは、カイポケリニューアル のタグのついた記事をぜひ読んでいただければと思います)

3ヶ月やってみての感想ですが、よいプロダクトを届けるため、必要なことをチーム全体で実直に取り組んでいると感じています。一つ一つは地道な作業で、プロダクトオーナーとドメインエキスパートがユーザーからヒアリングしてストーリーマップを作り、デザイナーとソフトウェアエンジニアが議論して機能やUIに落とし込んでいきます。開発プロセスとしてはスクラム開発で不確実性を徐々に減らしながら、着実に成果を積み重ねていっています。これだけだと簡単そうに聞こえますが、品質を犠牲にせずに、必要な機能を洗練されたUIで、ある程度のスピード感を持って開発を進めています。もちろん方向転換や手戻りなども多少ありますが、そこを含めて総合的には絶妙のバランス感を持って前進できているかなと思います。

特徴的なこととしては、積極的にユーザーとコミュニケーションを取っており、介護事業所に訪問してヒアリングやインタビューできる機会が定期的に用意されています。私も参加してみたところ、ちょうど開発している機能に相当する業務を現行バージョンのカイポケで行っていました。実際の操作を見せていただき、使いづらい点をその場で質問できたことで、ユーザーの課題感を肌で感じることができ、対象業務の理解も深まりました。正式リリースはもう少し先ですが、良い体験がユーザーに届けられそうな予感がしています。

技術スタックとしても、backendでSpring for GraphQL、frontendはReact + Storybookといった、新しめの要素技術を利用して、長期的に高い生産性を保てるようにチャレンジしているところです。このように充実した環境ですが、日々、開発対象業務が拡大していっており、まだまだ新しい仲間を必要としております。ご興味があればぜひ、下のリンクからカジュアル面談を検討していただければ幸いです。