弊社のブログのネタが減った気がしています

テックブログの編集を担当している髙木です。

テックブログにおける編集という役割はあまり一般的ではないかもしれませんが、記事の質の担保と安定的な投稿を目的に活動していると思っていただくのが良いと思います。以前出した記事がありますので興味のある方はこちらを参照ください。

突然ではありますが、弊社のテックブログがネタ切れ状態です。というのは半分冗談なのですが、これまでよりも記事が出にくくなっている気がしております。そのことについて考えるというのが今回の記事の主題となります。

そもそもテックブログをなぜ書くのか

テックブログだけではなく文章を書くということは、外向きの意味と内向きの意味があると思います。

外向きの意味:情報や成果を伝える

個人と企業ではテックブログで扱うテーマは多少異なると思いますが、経験やナレッジの共有が主としてあり、副産物としてブランディングがあると思います。ブランディングを主としてテックブログを運営することもあると思いますが、テックブログと名乗る以上はブランディングが主ではないほうが好ましいとは思っています(これは個人の意見です)。いずれにせよ外向きの意味とは、受け取る人がいることを前提に、情報を受け取りやすい形で提供することだと考えています。

内向きの意味:思考や情報を整理する

内向きの意味として、思考の整理があると思っています。この記事を書くこと自体が「どうしてテックブログを書くんだろうか?」というテーマを見つめ直すきっかけとなっています。つまり書き上げるまでの過程の中でなぜを考え直すことができ、結果としてアウトプットが整っていくと思います。テックブログに出た記事は最終的なアウトプットでありますが、この記事が出るまでにも何度も書き直して推敲している箇所もあります。いろいろ考えて紆余曲折しながら記事が出来上がっていくことで、自分の中の意見がまとまっていく体験自体に価値があります。

情報を読むだけでなく情報を出力しようとすることで、初めて整理できることがあると思います。

なぜテックブログを書くきっかけが減ってきたのか

個人的な考えとして、LLMの登場によるところが大きいと思っています。本当はここでデータを出せると良かったのですが、そのようなデータを取得できなかったので経験をベースに話させてください。

開発で詰まった際の課題の解消が容易になった

以前の記事でもお伝えしましたが、業務の開発はもちろん個人の開発でもLLMに頼って開発を行っています。

課題の解決が容易になるということは、悩むということがそもそも減ります。これまでは技術的な課題に直面した際、GitHub Issueを探したりコードを探索したりして整理しつつ、その整理の結果がテックブログに書き起こされていたと思います。しかしLLMの普及により、課題の解消をLLMとの対話によって行えるようになりました。 課題が見つかる → LLMと対話する → 解決策を選択する → 課題が解消する という流れになります。この体験をブログで共有したいかというと、そういう課題に出会えることはこれまでと比べるとかなり減ったように思います。

記事を書かなくなる大きな理由は、課題を解決するためにかけた努力を「これはわざわざ共有するほどのことではない」と自分で判断することが増えたことだと考えています。「LLMではなく自分が解決の中心になったものを出したい」と考えると、その課題の難易度はより高いものになり、ハードルを超えるものはそれほど書けないようになると思います。もうLLMが絡まない体験を書くことは現実的に難しいと思えるほど、LLMというものは開発の中心になったと感じています。昔、GitHubが落ちれば今日の仕事は終わりというネタがありましたが、今やその対象はLLMになったのですから。

ブログを書くまでもなく深掘れるようになった

ブログのような文章を書く整理ではなく、LLMとの対話によって状態を整理できるケースは増えたように思います。これは僕自身の体験ですが、電気における交流というものの考え方が全く理解できませんでした。問題を解くことはできたけどもどういうものなのかがわからず大人になりました。ある日気になってLLMに交流について尋ねました。自分のこれまでの疑問に答えてくれて、交流がどういうものなのかを理解することできました。

これはただの一例ですが、自分のわからないや疑問について対話で回答が得られるようになったとすると、ブログを書くことで整理していた思考は書くまでもなく整理することができます。またLLMの普及により、人との対話も増えたように思います。LLMによって開発のスピードが上がったことで、それをどう処理するべきかやどういうチームを作っていくべきなのかを人を中心に考える傾向が強くなったように思います。これらについては個人ではなくチームで考えることが多いため、ベースになるのは対話が多いと思います。

LLMとの対話だけでなく人との対話を通していろいろな物事が整理され、その結果として文章を書くという整理が不要になった面もあると思います。

このテックブログをどうしていきたいか

いろいろ書いたのですが、このテックブログに関して言えば2つです。

1. 会社の雰囲気が伝わる内容が展開される

このテックブログは、テックそのものにフォーカスを当てたものは少なく、どちらかというとプロダクト開発にフォーカスを当てたものが多いです。その過程で考え方やプロジェクトの進め方について解像度の高い記事がこれまでたくさん出されてきました。これはエス・エム・エスの雰囲気を象徴する事象の1つだと思います。誤解されたくないのであえて書きますが、技術について想いを持っている人はたくさんいます。そのうえで技術以上にプロセスにフォーカスを当てる人が多いというのがこの組織の特徴だと思います。

なのでテックブログの姿を変えたいというよりは、この雰囲気が続けばよいと思っています。プロダクト開発を通して得られた経験をまとめ、それがこのブログを読んでいる方々に伝わればそれで良いと思っています。

2. 個人の思考が整理される

これは僕がブログを書く目的として先ほど挙げたものですが、社員の皆さんにはこのブログを利用して考え方を整理してほしいと思っています。このブログは数名の有志によって運営されております。記事のアイディアや依頼、編集などを実施しています。この記事で何を伝えたいかを執筆者と相談することで書きたいものを一緒に考えて作っています。

思考を整理する方法はたくさんあります。先ほど紹介したようにLLMや人と対話することでも実施できると思います。しかし他の人に伝えたいものがあるならブログというものを通して一緒に作っていければと思っています。僕たちもいろいろなものを読みたいと思っていますし、記事を通して疑似体験できることを楽しませてもらっています。

ここからは社内の皆さんへの呼びかけになりますが、もし書きたいものがあるなら、1on1を依頼するぐらいの軽い気持ちで相談してください。いつでもお待ちしております。

このブログの未来のために何をするか

記事が出にくくなっていることは事実としてあります。だからこそ、それを知ってもらうためにこの記事を書くことから始めました。まずは現状を知ってもらうことが大事だと思ったからです。

このような記事は基本的に社内Wikiに書かれることが多いと思います。今回もそれで良かったのですが僕たちと同じように記事が少なくて困っている人たちもたくさんいると思います。テックブログが更新されなくなってネガティブな印象を持たれないようにしたいと頑張っているはずです。そういう人たちの代弁ができるといいなと思い、この記事をエス・エム・エスのテックブログに載せようと思いました。

もしかすると将来的にこのブログが不要になることもあるかもしれません。でもまだその時ではないと思うので、これからも記事を出せるように頑張っていこうと思います。