はじめに
この記事は 株式会社エス・エム・エス Advent Calendar 2023 の 20 日目の記事です。
はじめまして、キャリア事業部でマネージャーをしている @kenjiszk です。2023年4月に入社し、はや9ヶ月目になりました。私は、エス・エム・エスのミッションである「高齢社会に適した情報インフラを構築することで人々の生活の質を向上し、社会に貢献し続ける」がとても気に入っているのですが、特にお気に入りポイントである「社会に貢献し続ける」という部分について私の経験をもとに紹介できればと思っています。
ひとこと「社会に貢献し続ける」といっても解像度が荒いので、そのためにはどういったシステム、どういった組織、どういった事業であるべきかといったあたりが少しでも伝わると嬉しいです。
動くものではなく、動き続けるものをつくれ
遡ること十数年前、私は某ソーシャルゲーム開発会社のインフラエンジニアとしてキャリアをスタートします。タイトルにある言葉は当時の上司から頂いたありがたいお言葉です。簡単にいうと、作った時は正常に動いているのは当たり前で、作った後何年経っても正常に動き続けるものを作りなさいということなんですが、当時の私は右も左もわからず、サーバー構築やら何やらを行っていたので、ふーんくらいの気持ちで聞いていました。
そんなある日、作業ミスで割と大事なサーバーを落としてしまったのですが、予想に反してサービス全体は正常に動き続けていました。なるほど、上司が言っていたのはそう言うことね、と腹落ちした経験になります。
また、この時期にクラウドが利用され始めていて、作ったものは壊れる前提でシステム全体として健全に動かし続けるための工夫を学びました。
長期的な開発速度とは
その後、ベンチャー企業で働き始めましたが、インフラ基盤としては前職の経験を踏まえてそれなりに堅牢なものを作っていたと思います。ですが、少し目線を広げるとそこには常に忙しそうにしている開発チームがいました。かなり忙しそうにしている割にはそこまで成果が出ていないような状況に見えましたし、実際に開発メンバーからは、短期的に最速の方法をとっていると思うけど持続可能ではない、といった意見も出ていました。
もちろんこれは当時私が感じた一部の側面であり、いろいろな観点で見た時の最適解であったのだろうと今では思っています。ベンチャー企業であればリリースしなければ死を待つのみですし、一時的にストレッチが必要な場面や気合いで乗り切らないといけない場面は多々あります。ですが、長期的に開発速度を出すにはもっと別の問題があるようにも感じていました。
ありがたいことに数年後、開発組織全体の責任者もやらせてもらうことになったので長期的に開発速度を上げるにはどうすると良いのかということをCTOやエンジニアリングマネージャーたちと議論できるようになりました。この時は、チームトポロジーの考え方を参考に「長期的に安定したチーム」による開発を試すことができ、その有効性も実感できました。
開発体制が良ければ大丈夫なのか
「長期的に安定したチーム」が作れて一安心かと思いきや、そういったチームが必ず売れるプロダクトを作れるかというとそんなこともありません。もちろん打率は上がると思いますが、市況、マーケット、さまざまな要因でプロダクトが売れないという状況を何度か体験しました。 「長期的に安定したチーム」が永続していくには、適切な市場選択や戦略などさらに上位の概念が必要になってきます。
PMFしていれば安泰なのか
そんなことを考えている時に、ご縁があってエス・エム・エスに入社することになります。エス・エム・エスは19期連続増収増益という実績からもわかるように、伸びるマーケットで売れる事業を作り続けている会社という印象でした。一方で色々と話を聞くとシステム面や組織面の課題はいくつかあり、自分自身が経験してきたことでなんらかの貢献ができるのではないかと感じ入社することに決めました。
という目論見で入ったのですが、現実はそんなに甘くないというのが入社して9ヶ月経った感想です。マーケットで評価されているということは競合が多数出現するということ、10何年も継続しているということはユーザーの世代が変わっているということで求められるニーズが変化し続けていること、など事業・サービスのあり方というところでも常に変化が求められることを感じています。 今は、システム面、組織面を整えながら、今後どういったロードマップでプロダクトに改善を重ねると長期的に価値のあるものをマーケットに届けられるのかということに日々頭を使っています。
まとめ
ということで、エス・エム・エス入社前後の経験を振り返りながら、「社会に貢献し続ける」ために必要なことについてつらつらと書いてみました。
経験上、インフラからアプリケーション開発、組織運用や事業へと視点や関心が移っているのですが、単純に事業に関心を持つべきと言ったような話ではなく全ての視点がそれぞれ大事で総合格闘技的な立ち回りが必要になると思っています。
それぞれの項目についてどれも大事でどれも外せない中でどうバランスをとりながら物事を進めていくか、というところに難しさと面白さがあると感じます。
- サービスの可用性やセキュリティを担保するインフラ
- 安定した開発体制により継続的に生み出す開発速度
- 開発というコストを払うことで着実に積み重ねられる資産
- マーケットや競合の変化に対応できる根本的な提供価値の追求
最後に、これらを進めるためには仲間がたくさん必要です!という気持ちなので一緒にこの課題に取り組んでいる人を積極募集しています!よろしくお願いします!