タスク管理は、チームで仕事をしていく上で欠かせない一方で、永遠にカイゼンし続ける必要があるものです。チームごとに、どんなツールを選んでいるのか、それをどう利用しているのでしょうか。
エス・エム・エスでは、タスク管理の仕方もチームごとに裁量が与えられています。どのようなツールを利用してタスク管理をしているのか。「カイポケ」「カイゴジョブ」「ハピすむ」など、各サービスの開発チームに聞いてみました!
ツールの選定基準、利用の仕方、利用ツールのメリット・デメリットなど、開発チームによってどのような違いがあるのかを紹介していきます。
エンジニアチームごとに異なるタスク管理ツール
今回、話を聞いたのは、カイゴジョブ、ハピすむ、カイポケGengar、カイポケ障害、カイポケKSEE、カイポケSRE、カイポケ訪看など7つの開発チームのエンジニアメンバー。
それぞれのチームで使っているツールやチームのメンバー構成等を答えてもらったところ、以下のようになりました。
一覧にすると、Jiraを利用しているチームが目に付きますが、それでもチームによって導入しているツールや組み合わせは、GitHub、Trello、Asana、Jiraなどバラバラです。
エス・エム・エスは、チームごとにツールを自由に選んで決められるようになっているため、このようにチームにとってタスク管理に用いるツールも異なります。各チーム、どのようにツールを選んで使っているのか、順番に聞いてみました。
開発チームごとにどうタスクを管理しているか?
シンプルにTrelloを使いこなす、カイゴジョブ
カイゴジョブは、Trelloにアドオン機能のAgile tools addonを導入して利用しています。課題の大きさを表す数値であるストーリーポイントは、タスク管理上割り当てたかったため、Trelloを利用し始めてすぐにアドオンも合わせて利用を開始。
Trelloのボードは、新着、Pending、プロダクトバックログ、スプリントバックログ、という着手タイミング管理レーンがあり、着手したらDoing、Review、確認、Doneという進捗レーンを進んでいきます。Doneのレーンは、スプリントごとに用意。
諸橋:Trelloの導入前は、ホワイトボードなどで物理の付箋を利用して進捗を管理していたものの、出社のたびに数枚剥がれているような状態が続き、デジタル化することになりました。
事業側のメンバーからは、スプレッドシートで管理したいという意見もありましたが、エンジニアメンバーはスプレッドシートでは管理がしにくいので何か別案がないかを検討。
エンジニア以外のメンバーでも活用ができ、複雑な仕組みにせずに導入が可能なツールとして、両者にとって使い慣れているTrelloに白羽の矢が立ち、導入することになりました。
ツールが複雑ではないからこそ、事業部の人からも要望のカードを気軽に入れてもらいやすいという点がメリットとして挙げられます。早い段階で要望を出してもらうことで、技術的な視点から検討をして前向きなコミュニケーションにつなげやすい状況が生まれているそうです。
ほとんどデメリットを感じることはないそうですが、Trello上で目印として利用しているラベル機能の色が足りない、カードのステータスが進捗してもレーンを移し忘れるなどが発生している点などが挙げられました。
AsanaとTrelloを組み合わせて効率管理、ハピすむ
ハピすむは、AsanaとTrelloを併用して利用しています。ハピすむは、開発以外にも営業やコールセンターなど様々な職種が混在するチーム。そのため、Asanaを開発以外のメンバーも含めたチーム全体のタスク管理ツールとして利用しています。
Trelloは、フロー化されたOpsを回すためのタスクや状態管理に利用。プロダクトの管理画面とAPI連携しており、案件が発生したら自動でカード生成などの用途で活用しています。
三浦:このツールの組み合わせにする以前は、GitHub Projectを利用していたものの、日時管理がしたい、タスクのカテゴライズ機能が弱い、非エンジニアとも開発系のタスクを共有し、かつチーム間のタスク管理ツールをまとめたいといった要望や不満からツールを移行しました。
数あるツールの中でもAsanaに決めた理由は、管理方法は大きく変わらずカンバン形式による管理が可能、他ボードとの共有が非常にしやすい、機能が充実しているという点などがありました。
Asanaは、タスクの表示方法が多様であり、開発とそれ以外のプロジェクト間のタスクの共有管理などもやりやすい点、タスクに対して柔軟にフィールドを追加できたり、GUIで自動でルールを組める点などが利点に。
Trelloに関しては、手軽にカンバン形式のタスク管理ができる点と、開発しているアプリとAPI連携ができる点などが選定理由として挙げられました。一方で、Trelloで複雑なことをやろうとすると無理が生じやすく、その点は不便が生じるそうです。
GitHub でエンジニアファーストな管理体制、カイポケGengar
カイポケGengarは、他職種とのコミュニケーションは頻繁に発生せず、エンジニアだけでタスク管理方法を考えることが可能でした。そのため、もともと利用しているエンジニアと親和性の高いGitHubでタスクも管理。GitHubであれば、ソフトウェアのコードと近いところでタスク管理ができる点も選定の基準に。
前田:マイクロサービスとして開発しているため対象のリポジトリが多く、タスクの見える化が主な課題だったため、もともと GitHub Issueを使っていたところに、GitHub プロジェクトボードを導入してカンバン形式でタスク全体の可視化に着手しました。
直近やるタスクはプロジェクトボードに乗せ、リポジトリに紐付かないものや Issue にならないものもメモ代わりにカードとして登録しておき、リポジトリに紐付けができるようになったタイミングで、Issueに転換して管理するという運用になっています。
GitHub プロジェクトボードは、タスクの粒度(小タスク)などが設定できない点、Issueレベルで期限が設定できない点などの不便はありますが、現時点で細かい期限設定が要求されないので、ラベルなどでやりくりしながら利用しています。
Jiraで統一、カイポケ障害 / EEVEE / KSEE / 介護レセ開発 / 訪看
Gengar以外の、カイポケの障害、EEVEE、KSEE、介護レセ開発、訪看のチームは、共通してJiraを利用。Jiraの導入以前は、別ツールを利用していたり、ホワイトボードを利用してアナログで管理しているチームもいましたが、一括してJiraに移行しました。
SREチーム:ホワイトボードなどからの移行した背景には、期日系は把握しにくい、付箋だと情報が残らず、詳細も残せない、リモートワークするメンバーが増えて物理での管理がやりにくかったなどの要因がありました。
Jiraを選んだ背景は、カイポケに関連するチームの中では利用実績があった、お問い合わせの二次対応や不具合の蓄積場所として日常的に使っていた、異動前のチームがJiraを使っていてメンバーが慣れていた、という点が挙げられます。
基本は、Jiraをタスクボードとして活用し、毎スプリントでタスクを遂行し、デイリーでタスク状況の確認などを行っています。デメリットにつながる要素は、画像添付などのレスポンスがGitHub Projectsなどと比べると遅い、ストーリーとタスクが両方同列に並んででてきてしまうため視認性が悪い、全部の機能をオンにするとJiraに働き方をコントロールされているようになってしまうなどがありました。
チームに合わせて自由にタスク管理の方法を選ぶ
エス・エム・エスでは、タスク管理に用いるツールはチームごとにバラバラ。チームの規模、サービスの性質、仕事の進め方は異なるため、チームごとに合わせたツールを導入するのが合理的です。
チームごとに経験している内容はesaにまとめていっているので、事業フェーズやチームのサイズ感が変わった際には参考にすることもできます。
新しいタスク管理のツールは、どんどん生まれます。導入にあたっての予算的な縛りもなく、現状のツールに縛られることなく、チームごとに自由にツールを選定できる環境は、新しいツールを試したいエンジニアとしては嬉しい環境となっています。
もちろん、ツールの導入はチームの同意やリテラシーの差を埋めるための配慮なども必要です。こうした実際に導入するにあたって必要となる工数などを考えることもエンジニアにとっては良い経験。
今回はタスク管理にフォーカスして紹介しましたが、コードレビューのやり方や連携ツールも含めると、かなりの自由度で利用するツールや、手法をチームごとに決められるのがエス・エム・エスの開発チームです。エス・エム・エスではエンジニアを積極採用中ですので、関心を持った方はぜひこちらのリンクを見てみてください。