【資料公開】pmconf2023「”リビルド”プロダクトマネジメントの極意」

プロダクトマネージャーカンファレンス2023で登壇しました

介護職向け求人情報サービス「カイゴジョブ」のプロダクトマネージャーを務めている田中(@tatsunori_ta)です。

株式会社エス・エム・エス Advent Calendar 2023の8日目の記事でもお伝えしておりますが、会社を代表してプロダクトマネージャーカンファレンス2023(pmconf2023)にて登壇する機会をいただきました。

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pmconf2023では「”リビルド”プロダクトマネジメントの極意」のタイトルで発表しております。 発表要旨は以下です。

ある程度の規模、組織では既にあるプロダクトのPMになる方も多いでしょう。創業者からPO・PMを引き継ぐケースや、他PMからPM業を引き継ぐケースなど。キャリアを通して、プロダクトの再検討フェーズに入ることが多い私ですが、今あるもの・プロダクトの「そもそも」から疑い、あるべき価値・戦略を描き直すことを現在も実践しています。既存組織やオペレーションなど制約もある中で、私がどのようなスタンス・動きで「リビルド」を実現しているかをお話します。

2023.pmconf.jp

2024年と年明けになってしまいましたが、この記事では発表資料・録画を紹介し、発表時に寄せられた質問の一部への応答・補足説明をいたします。

発表資料

録画(YouTube)


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Q&A

Q.(転職して2ヶ月の方からの質問)リビルドできるのは新しく入ったPMならではというのに惹かれました。新しく入った状態で「情報を集めること」に苦労していると話されていましたが、どうクリアしましたか?

誰しも今まで所属していた組織における「情報共有・蓄積の仕組み」があります。その中で慣れ親しんだツールや、情報の保存場所があるはずですが、新しい組織に入るにあたってはこれらをアップデートする必要があるため、まずは以下を理解することが大事です。

  • どこにどんな情報が蓄積されているのか(そもそもないのか)
  • 誰がどんな情報を持っているのか

前者のどこにどんな情報があるかは、1ヶ月ほど共有フォルダ(BoxやGoogle Drive)を漁っていると分かるようになっています。PMは着任初日から会議等で忙殺されることはないので、時間にゆとりがある着任初期に、格納されている情報・データを漁ってみることをおすすめします。

個人的に後者をどう抑えるかは大事だと思っており、誰がどんな情報を持っているかを知り、その人と信頼関係を早めに作っておくことを心がけています。例えばプロダクトのデータを見たいのであれば、データサイエンティストやエンジニアにどんな情報が取れるかを先んじて確認しておく必要がありますし、業務理解をしたいのであれば業務設計者も業務担当者も接点を持たないといけないでしょう。すべてがドキュメント化されていることは稀なので、私は後者の「人」からの情報を積極的に取りに行くことでクリアしていきました(まだまだ知らないことが多いなと感じており、日々学んでおりますが)。

Q. ユーザーヒアリングする対象を選定される際(サンプリングの際)に気を付けていることや選定の基準などはありますでしょうか?

自分の理解度と学びたいテーマによって変えていますが、以下のようにしています。

①着任初期

  • 前提:事業・顧客に対して解像度が低い状態
  • セグメントを定めずに無作為に顧客に会いに行く
    • とりあえずランダムサンプルで10人/10社ほど行く
    • ただし、事前にどのような顧客であるかは調査しておく
    • 目的は業界、顧客、業務をざっと掴むこと(肌感を得ること)
  • 質問事項は事前に用意するが、仮説を固めすぎない
    • 基本調査(業務内容、顧客属性)を実施
    • 業務観察は概要を把握するのみに留めて、細かい点は理解できなくてもOKとする

②着任してから約3ヶ月〜6ヶ月目以降

  • 前提:ある程度ドメイン知識が付いてきている状態
  • ユーザー、顧客をある程度のロジックでセグメントを作る
    • 例:大手/中小、都市部/地方部、ベテラン/若手、業界A/業界Bなど
  • ターゲットと思われるセグメント(8人ほど)、違うであろうセグメント(2人ほど)とかでヒアリングを実施
    • 違うであろうセグメントのユーザーヒアリングをする理由は、あくまでも確認程度
  • ①に比べると解像度はもう少し高くなっている
    • 仮説と質問事項を用意する
    • 仮説検証するためにヒアリングおよび観察を行う