はじめまして。2022年4月1日にプロダクトマネージャー(PdM *1)として入社しました一柳です。
私はエンジニア(*2)からPdMへキャリアチェンジしており、PdMとしての転職活動は今回が初めてでした。
エンジニアとしての転職活動には慣れていたものの、PdMとしての転職活動にはエンジニアとは異なる面が多々あり転職活動に苦労しました…。 約4ヶ月に渡って試行錯誤をしながら転職活動を進めてきたなかで、いまから振り返れば「最初からコレをやっておけば…」と後悔するポイントも多かったです。
これからPdMとして転職される方の参考になればと思い、ギャップがあったポイントと工夫した点についてお伝えします。
*1 プロダクトマネージャーはPMと省略することもありますが、本記事ではプロジェクトマネージャーとの混同を避けるためPdMの略称を使います。
*2 本記事ではソフトウェアエンジニアのことを指します。
この記事の想定読者
- 現役PdMの方
- PdMキャリアを想定しているエンジニアの方
- PdM候補者の気持ちが知りたい採用担当者の方
お伝えしたいこと
- エンジニアとPdMの転職活動のギャップ
- PdMとしての転職活動で役立つTips
時間がない人向けのサマリ
- 自身のスキルやスタンスをしっかりと企業に伝えるためにプロフィール資料を用意しましょう。
- 企業の情報収集はカジュアル面談を活用しましょう。スケジュールに余裕を持てるとなお良いです。
- 行動面接を想定して、過去案件の背景情報を整理した資料を用意しましょう。 オファー面談でも焦らずに、丁寧に期待調整のコミュニケーションを行いましょう。
転職活動の背景
本記事を読み進める上での私の背景情報です。
- エンジニアとして2回転職経験あり
- 前職でエンジニアからPdMにキャリアチェンジ
- 退職済みの状態から転職活動をスタート
事前準備段階
感じたギャップ
- PdMとしてのスキルアピールがしづらい。
エンジニアであれば職務経歴書に扱える言語やフレームワークを記載したり、GitHubなどで制作物のポートフォリオをアピールできるのですが、PdMの場合それが難しいです。
単に職務経歴書を書いただけではスキル背景を伝えにくいように感じました。
対策として行ったこと
自分のPdMとしてのスキルや、今後のキャリアの方向性を書いたプロフィールページを作成し、職務経歴書にURL添付しました。
私の場合は、
- PdMとしての得意領域
- 転職軸
- 大切にしている価値観
- 期待する企業文化
を記載して、自分自身の特性をお伝えできるようにしました。
プロフィールページの作成は、GoogleDocs、Notion、Proffなどを使えば、限定URLで公開するお手軽に作成できます。
求人票確認~応募まで
感じたギャップ
- 求人情報が薄く、応募先選定を行う材料が少ない
エンジニアの場合、求人情報の時点で使用技術、チーム文化、エンジニア向けの福利厚生が分かるためある程度足切りができるのですが、PdMの場合判断材料となる情報が少なく求人情報の時点で足切り判断するのが難しい状態でした。
対策として行ったこと
とにかくカジュアル面談に行きまくりました。 1ヶ月の間で15社と面談できたので頑張ったほうだと思います。
カジュアル面談をうまく活用するコツとしては、
- 求人情報や採用サイトから読み取ったPdMが解決する課題への認識が正しいかどうか?
- 企業がPdMに求めていることの解像度をあげる
という観点に絞って質問リストを作成しておくことです。 面談直前の1時間を作業時間として事前インプット+質問リスト作成を行いました。
あまり準備に時間をかけすぎても量がこなせないため強制的に時間を区切る目的と、短期記憶を使って効率よくインプットする目的でこのような運用をしていました。
今回の場合は急遽カジュアル面談での情報収集に舵をきったので、1ヶ月の間で急ピッチに数をこなしましたが、本来なら半年ぐらいの期間でゆるやかにカジュアル面談の数をこなしていくほうが良かったなと感じています。
応募~面接まで
感じたギャップ
- 過去の実務実績ベースの質問を受ける「行動面接」が多かった
エンジニアの場合、どちらかというと状況設定型面接が多かったり、コーディングテストや設計テストのようなスキル面接が行われるため、行動面接ベースが少なかったように感じます。 そのために自己アピールしていくことに難しさを感じました。
また特にPdMの場合、過去案件の説明をする際に前提となる情報が多くなりがちなので、課題状況を伝えるだけで面接時間を長々と使ってしまい実りの少ない面接となることが多くなってしまいました。
対策として行ったこと
事前にホワイトボードツールを使って、過去案件の背景情報を整理した資料を用意しておき、それを使いながら過去案件の状況を簡易に伝えられるようにしました。
使うツールはMiroやFigJamなどになります。 これらのツールを使い、プロダクト構造と組織構造、それぞれの構造から生まれる課題と制約を簡易的な図に起こしておくようにしました。
こういった資料を事前に用意しておくことで、スムーズに背景情報を伝えることでき、自己アピールに時間を使うことができました。
※ 念の為ですが、過去案件の説明をする際には守秘義務契約を守れるように、フェイクやマスキングを用いて説明するようにしましょう。
※ 個人的には上記の前提があるため、PdMに対して行動面接が有用なのか疑問に感じています。
オファー面談
感じたギャップ
- PdMのポジションや期待のすり合わせにとても気を使う
一般的にオファー面談にて企業が何を期待しているのか、自分が何の貢献ができそうかといった期待のすり合わせは重要になってくると思います。
PdMは特に「具体的に何をしていくのか」が分かりづらい職種ですし、実行するにあたっての体制も企業ごとに様々です。 それまでの面接を通じて断片的な情報から、おおよそのポジションを推定できますが、オファー面談の場で改めて観点をすり合わせることが大事になってきます。
実際オファー面談で期待調整をしてみると、それまでのコミュニケーションで想定されたポジションと異なるオファーだったことが分かるシーンがありました。
対策として行ったこと
担当するプロダクト領域、意思決定の範囲、意思決定する上で関わる重要ステークホルダーを再度整理して確認するようにしていました。
自身が得意とすることや、今後の志向性とズレたアサインとなっていた場合、入社後に非常に苦労することが想像に難くないため、内定企業と自分自身のためにも丁寧にコミュニケーションをとっていきました。
要点まとめ
改めてPdMとしての転職で気をつけたいポイントをまとめます。
- 自身のスキルやスタンスをしっかりと企業に伝えるためにプロフィール資料を用意しましょう。
- 企業の情報収集はカジュアル面談を活用しましょう。スケジュールに余裕を持てるとなお良いです。
- 行動面接を想定して、過去案件の概要が分かる資料を用意しましょう。 オファー面談でも焦らずに、丁寧に期待調整のコミュニケーションを行いましょう。
おまけ:エス・エム・エスの選考過程の感想
私がエス・エム・エスの選考過程に入った段階では、上記で書いたような対策ができていたので、スムーズに選考を進めることができました。
なかでも上手くいったポイントは、カジュアル面談でした。 事前に質問事項を準備していくことで、どのような課題を解決したいのか、PdMに期待することはなにか、PdMが所属する組織はどのような状態なのかが、おおよそイメージできる状態となりました。
カジュアル面談を終えて、私がフィットするかのイメージが持てたので選考にも前向きに取り組むことができました。
また会社側からも私の関心に寄せて事業の説明を厚めにしていただいたので、質問の手間が省けた部分が多かったように思います。(その分アドリブで突っ込んだ質問をすることができました。)
入社して丸2ヶ月経っていますが、面談時と入社後のイメージギャップがかなり少ないです。 もちろん組織や事業についてもろもろ課題感はあるのですが、面談でお話いただいた情報と齟齬はありませんでした。
もし弊社への応募を検討いただける方は、面談や面接にて知りたいことを率直に質問してもらえると良いと思います!
おわりに
この記事では私がPdMとして初めて転職活動をするなかで感じたギャップと対策を書いてきました。
この記事では端的にまとめていますが、実際に4ヶ月弱の転職活動をしていくなかでは手探りの連続で、苦労の多い転職活動でした。 この記事が少しでも、PdMの転職活動に役立てば幸いです。
最後にお約束ですが、弊社ではPdM、エンジニア、EMなどプロダクト関連職種を積極採用中です。 もし弊社に興味をもっていただけましたら、ぜひカジュアル面談にてコンタクトをとって頂ければと思います。