はじめまして。エス・エム・エスでアーキテクトをしている三浦です。2020年10月にエス・エム・エスに入社しました。
以前は、複数のベンチャー企業でエンジニアやプロダクトマネージャーなどを兼任してきました。
まだ入社してわずかな期間ではありますが、なぜエス・エム・エスに入社したのか。入ってみて何を感じているかを書いてみようと思います。
「技術」「ユーザーの喜び」「事業成長」の3つを満たして働きたい
私はこれまで、エンジニアやプロダクトマネージャーとして、『はてなブックマーク』のフルリニューアルや、子ども向けの知育アプリの開発、AI(人工知能)を活用した需要予測サービスの開発などに携わってきました。
エンジニアになったのは偶然です。もともと、心理カウンセラーを目指していて、大学卒業後は、アメリカの大学院への進学を考えていました。その前に社会人経験を積んでみようと、医療に特化した市場調査の企業に入社しました。
最初はマーケットリサーチを担当していたのですが、ある時インターネット調査に特化したチームを立ち上げることになりました。そこで「三浦くん、インターネット好きだよね? 開発とかやってみない?」と、いきなり抜擢されて。青天の霹靂でした(笑)。
開発の経験は全くなかったのですが、やってみたら予想以上に面白かった。頭の中に描いたものを、コードを通してシステムとして実装し、実際に動かせる。それがとにかく新鮮でした。
何よりも、「ユーザーの反応がある」というのが大きな発見でした。医療系の調査をするシステムだったので、ユーザーは医師や薬剤師の方々。みなさん、とても職業意識が高く、作ったものに対して厳しいフィードバックを受けました。最初のころは、あまりの厳しさに急性胃腸炎にかかったことも(笑)。
それでも、反応があることが嬉しかったですし、フィードバックを踏まえてプロダクトがさらに磨かれることも魅力的でした。この経験を経て、カウンセラーではなくエンジニアとして生きていこうと決めました。
その後は、株式会社はてなや子ども向け知育アプリの開発をする株式会社スマートエデュケーション、AIを需要予測やマーケティングに活用するサービス開発をする会社など、ベンチャー企業で経験を積みました。
エンジニアやプロダクトマネージャーとして、事業を作る人たちと一緒にプロダクトの立ち上げに関わることが多かったです。実力不足で思ったような成果を出せない時期もあったのですが、失敗と反省を繰り返すうちに、技術と事業をセットで成長させていく面白さを感じていきました。
印象に残っているのは、スマートエデュケーションで取り組んだ保育園や幼稚園に向けたICT教材の開発です。プロダクトマネージャーとして、1カ月で教材のプロトタイプを作り、お披露目するというミッション。
その教材は、自分が描いた絵をスマートフォンで撮影し、モニターやプロジェクターに接続すると動き出すというもの。タイトなスケジュールで進行したプロダクトでしたが、実際に子どもたちに体験してもらったところ、「私の絵が動いている!」と目を輝かせて喜んでくれました。そのときは、涙をこらえるのに必死でしたし、子どもたちの表情は今でも忘れられません。その後、正式にリリースをして、事業を伸ばすことができました。
こうした経験を積み重ねて、「ユーザーが心の底から喜んでくれる、世の中のスタンダートになるものを作りたい」という思いが強くなっていきました。それ以来、「技術」「ユーザーの喜び」「事業成長」の3つが、私にとって仕事をしていく上で欠かせない要素になりました。
「高齢化」という社会課題に技術でアプローチするやりがい
私がエス・エム・エスに入社したのは、「世の中の当たり前になるプロダクト作り」に携われそうだと思えたからです。
エス・エム・エスは、高齢社会に求められる領域を、介護、医療、ヘルスケア、シニアライフの4つとし、40以上のサービスを開発・運営している会社。2025年には3人に1人が65歳以上になると言われており、高齢社会においてプロダクトを必要とする人が確実に存在しているのは大きな強みだと感じました。さらに、17期連続で増収・増益していて、事業基盤もしっかりしている会社です。2003年の創業から40以上の新規事業も生まれ、アジアを中心に17カ国にサービスを展開するなど、グローバルに活躍できるチャンスがある。私が大切にしている「技術」「ユーザーの喜び」「事業成長」の3つの要素に当てはまっていました。
ただ、現状のエス・エム・エスは、技術的な挑戦の余地があります。私が担当している介護事業者向け経営支援ソフト『カイポケ』は、2021年4月1日現在で31,100の介護事業者に使っていただいています。『カイポケ』は40以上の機能・サービスで構成されており、機能の変更はもちろん、新サービスの開始や古いサービスの廃止も継続的に行われています。また、社内でのデータ活用をもっとやりやすくするような改善も進めています。介護事業者の日々の業務を担っているシステムですから、サービスを安定的に利用していただきながら、こういった改善を進めていく必要があります。
これまでの経験を生かしながら、技術でのサービス改善をしていけば、さらに事業の成長を後押しできる。そう感じて入社を決めました。
入社後は、『カイポケ』のサービス全体のアーキテクチャ(基本設計)を考えるアーキテクトとして働いています。
入社してしばらくの間、週替わりで各チームに入って、MTGに参加したり開発の様子を見たりしていました。一つひとつのサービスの仕組みを理解して、どんな課題があるのかを探っていました。その様子の詳細についてはこちらの記事をご覧ください。
実際にメンバーと接してみて、「ビジネス視点」と「ユーザー視点」が根付いた、とてもいいチームだと思っています。ビジネスに強い企業は、ビジネスサイドに比べて開発サイドのパワーバランスが弱いとも聞きます。エス・エム・エスもそうなのかもしれないと心配していたのですが、杞憂でした。ミーティングの様子を見ていても、お互いが意見を出し合って歩み寄りながらプロダクトの開発に取り組んでいます。
ユーザー視点が根付いているなと感じたのは、システムに障害が起きた時の対応です。真っ先に「ユーザーに対して申し訳ない」という一言が、エンジニアたちから出てきます。これまでいくつかの会社で働いてきたのですが、開発に夢中になるあまり「ユーザーの顔」を忘れてしまう人も少なくありません。
障害という不測の事態でユーザーの顔が真っ先に浮かぶのは、「ユーザーのためにプロダクトを届けたい」という意識が根底にあるからなのだと思います。
学ぶことが尽きない事業領域の面白さ
ユーザーへの理解を深めるという点では、開発サイドのメンバーも、介護業界のキャッチアップを求められます。私も、社内で定期的に開かれる介護の勉強会に参加をして、国や自治体の取り組み、介護保険制度などについて学んでいます。これまでは「勉強会」といえば技術系のものが中心だったので、新鮮です。
介護業界は、事業者が利用者にサービスを提供した際に対価として支払われる「介護報酬」が3年に1度、改定されます。それに合わせて、機能の仕様も変えていかなければいけません。「変化」が前提だからこそ、開発サイドも知識のキャッチアップが求められます。ちょうどその改訂作業が現在進行中です。外部要因で仕様を変えていかなければいけない状況は初めてなので、非常にワクワクします。
「社会」の変化を直に感じながら開発に向き合えるのは、エス・エム・エスの魅力です。特に『カイポケ』は、高齢社会を支える「働き手」のためのプロダクト。介護の現場では働き手不足が取りざたされています。技術の力で彼らの負担を少しでも軽減させて、心から仕事を楽しめる状態を作りたい。数十年先も「介護」の仕組みがしっかりとまわる世界を作ることが、私の今の使命だと思います。