皆さんはじめまして。
慶應義塾大学の中村颯といいます。
X(Twitter)ではみゅーら( @lit_myura )でやってるのでもしよければお話しましょう...!
僕は元々中学の時にプログラミング塾に通っていて、そこで出会ったのがRubyでした。そこから早8年位経って、今では元々通っていたところで僕がRubyを教えています。
そんな中で教え子たちのレベルがどんどん上がる中、僕が最新情報をキャッチアップしないで何が出来るのかと思っていたところ、RubyKaigi2025を見つけました。
今回僕はエス・エム・エスさんの学生支援を受けて、人生で初めてRubyKaigiに参加しました。実はテックカンファレンスへの参加自体が初めてであり、四国を訪れるのも初めてです。とても緊張しました。
今回はそのレポートとなります。
もしよければ最後まで読んでもらえると幸いです。
RubyKaigiに参加してみて
まず、何よりも本当に楽しい3日間でした。正直なところ、内容の8割ほどは理解が及ばず、自分の力や知識では分からないことだらけでしたが、それでも十分すぎるほどの刺激がありました。
特に、会場ではブースにいる時間が長く、セッションを聞くよりも1対1でお話できる時間が多かったのもあって、わからないことも含めてじっくり対話できたのがとても良かったです。そして、やっぱり改めて感じたのは「みんな、本当にRubyが好きなんだな」ということ。
趣味でRubyを使用しているという方も多く「仕事では使わないけど、自分でなにか作るならRubyを触る」なんて声も聞きました。そのように愛されているプログラム言語が日本で生まれたRubyであること、それが自分にとっても大切な言語であることは本当に純粋に嬉しいなと思いました。
あと全体的にノベルティのセンスが本当に良くて終始テンションが上っていました。
御朱印帳とか、今治産のタオルとか。これからも使い続ける事になりそうなものばかりで思い出の数々です。
↑個人的には砥部焼にワクワクしちゃいました。
Rubyに対する意識
僕自身もともとRubyへの愛着はありましたが、今回のRubyKaigiを通して改めて「Rubyを使えばなんでもできる状態」に自分を持っていきたいという気持ちが強くなりました。
先程も記載した通り、セッションの多くは理解するのが厳しかったです。
ただ、それ以上に登壇者たちが本当に楽しそうに、情熱を持って話している姿が印象的でした。内容が完全に理解できなくても「この人の話は面白そうだな」と思わせる力がありました。特にDAY1冒頭のima1zumiさんのセッションでは、文字コードに対する「好き」が伝わってきて、RubyKaigiへの期待が爆上がりしちゃいました。
そして、DAY1最後に行われた「TRICK 2025: Episode I」では、今まで自分が見てこなかったようなタイプのコーディングを目にしました。自分はこれまでRubyを「Webサービスを作るためのバックエンド言語」として扱ってきて、その目的のために効率や完成度、スピード、そしてユーザビリティを重視することが当たり前だと考えていました。だからこそ、最近ではAIを使ってコーディングすることも増え、何より「完成品」に価値があると思い込んでいた節があります。
しかし「TRICK 2025: Episode I」の場では、コードそのものを楽しむ人たちの姿がありました。誰かの役に立つコードではなく、自分の工夫や遊び心が詰まったコードを披露し合う様子を見て「ああ、自分で書くっていう行為自体にも、楽しさってあったよな」と思い出しました。
そんな経験から「自分が心から楽しめる、自分にとっての絶対的な言語」があるって、すごく素敵なことなんだと感じました。もちろんサービスを作ることや、複数の言語を使いこなすことも大切ですが、「ものづくりの過程そのもの」を楽しめるかどうかで、その人の意識や取り組み方って大きく変わってくるんだなと改めて実感しました。
もちろん処理速度や適材適所の選択はあると思いますが、どんなものでもRubyでつくれる自分でありたいし、Rubyを通じて楽しさを感じ続けたいと思っています。普段はWebサービスの開発などでしかRubyに触れない僕ですが、それ以外の部分にも触れてみようって思うきっかけになりました。PicoRubyとかの話も面白かったので、組み込み型のRubyとかから挑戦してみるつもりです。まずはいわゆるLチカからはじめてみます。
また、JITによる高速化の取り組みなども含めて、Rubyを進化させようと本気で取り組んでいる方が多くて、その熱量がすごいと感じました。でもそれが、何かに追われているような雰囲気ではなく、「自分が楽しいからやってる」という雰囲気なのが印象的でした。それぞれが自分のやりたいことを自由にやっていて、それがちゃんとRubyの未来につながっているというのは本当に素晴らしいなと思います。
その中で、あれだけあたたかく話しかけてくれる人たちがいるRubyコミュニティに、これからも関わっていきたいと思いました。
地域.rbなども含めて、今後もいろんな形で参加したいと思っています(東京近郊でおすすめの場所があれば教えて下さい)。
まとめ
RubyKaigi2025を通じてこのような場所にいられること自体が幸せで、このコミュニティの一員になっていきたい、と思えるような時間でした。
今の僕はまだRubyをシンプルな使い方しかできていません。でも、これからもっと深く学んでいけば、見えるものも話せることも増えていくはず。今以上にRubyが楽しくなる未来が待っている、そんな希望が持てた3日間でした。
また、海外の参加者の多さにも驚きました。規模が本当に大きくて「このサイズが初めてのテックカンファレンス」というのは贅沢だったなと…。自分が興味ある分野で、生の英語や世界中の人の声を直接聞けるというのは本当に貴重な機会だったと思います。
しかし、個人的な反省点が1つだけあります。名刺を持っていかなかったのは、かなりもったいなかったです。もっと交流できるチャンスがあったのに…と少し悔しい気持ちもあります。次回はしっかり準備して、もっといろんな方とつながれるようにしたいです。
本やサイン会などを通して、近い距離感で学べる空気感も素敵でした。それぞれが違う視点で世界を見ているのに、目指している先は同じ。動き方は違っても、みんながRubyの未来を見て行動している。そういう姿にたくさん出会えたことが、何よりの収穫でした。
改めて、助けてくださった皆さん、お話ししてくださった皆さん、本当にありがとうございました。
また、支援してくださったエス・エム・エスさんにも改めて感謝申し上げます。
最高のRubyKaigiでした。
次のRubyKaigiやKaigi on Rails、そして他のRubyコミュニティでも、また皆さんとお会いできるのを楽しみにしています!