PHPカンファレンス小田原2025で技術コミュニティについて考えてきた

こんにちは、介護/障害福祉事業者向け経営支援サービス「カイポケ」のリニューアルプロジェクトでモニタリングやオブザーバビリティ周りを担当している加我 ( @TAKA_0411 ) です。

4/11に開催されたPHPカンファレンス小田原 (以下ぺちおだ) 2025の前夜祭にて「推しのコミュニティはなんぼあってもいい」というタイトルで5分LTをしてきました。本記事ではLTの内容に触れつつ、以下の観点でまとめます。

  • このテーマを選んだ理由
  • 登壇後の反響
  • 私がぺちおだに参加する理由

PHPカンファレンス小田原2025 イベント公式サイト
phpcon-odawara.jp

PHPカンファレンス小田原2025 前夜祭
phpcon-odawara.connpass.com

登壇スライド
speakerdeck.com

このテーマを選んだ理由

YAPC::Hiroshima 2024にてそーだいさん ( @soudai1025 ) が「自分の好きな技術領域やそのコミュニティにいても良いし、興味のある技術的に近い隣のコミュニティに参加するのも良い」という話をしていたのが印象的で、自分の体験も交えて発表したいと考えたのがきっかけです。

www.youtube.com

私は最近、主にJAWS-UGのイベントで運営・登壇・参加していますが、JAWS-UGとPHPコミュニティの距離は遠くないと感じています。「技術的に近い隣のコミュニティに参加すること」の意義を発信するにはぺちおだは最適な場だと思い登壇を決めました。

発表内容を考える中で、PHPカンファレンス北海道2024にAWS界隈の知人を誘ったエピソードが思い浮かびました。

知人は「PHPの話はあまり理解できなかったが、開発に役立つ一般的な知識を学び、自分の独学の答え合わせができた。何よりPHPコミュニティの人と話せて楽しかった」と言ってくれました。これこそ「興味のある隣のコミュニティに参加する」ことの価値だと実感し、複数のコミュニティに参加するメリットや、参加者が楽しめる要素について考えた結果が今回の発表スライドです。

今回のぺちおだ2025には札幌在住のAWS界隈の知人3名を誘い、4人で参加しました。全員PHPには詳しくなく主にAWSを扱っています。彼らにも参加後の感想をブログに書いてもらう予定で、私の仮説がどうだったかを楽しみにしています。

私自身、今はオブザーバビリティ領域に強い関心がありますが、AWSコミュニティやPHPコミュニティ、最近だとSREコミュニティを経て得られた学びを通じて「自分はオブザーバビリティに興味がある」と気づきました。AWSだけに詳しくてもWebアプリケーションのことが分からなければサービスの問題解決はできません。Production ReadyなWebアプリケーションを開発するスキルがない自分が「動いているWebアプリケーションで何が起きているのか、問題解決のための技術や考え方を学ぼう」と思えたのは、複数のコミュニティに参加したからこそ得られた気づきです。

登壇後の反響

LT登壇後に「実は私もJAWS-UGに参加してみたいと思っていて…」という相談を受けとても嬉しく思いました。あるJAWS-UGイベントへの参加を迷っているとのことでしたが、私は現地参加できずフォローが難しい状況でした。そこで、技術的なバックグラウンドが近い知人やコミュニケーション力のある知人を紹介しつつまずは参加してみてほしいと伝えたところ、当日のX(旧Twitter)で楽しんでいる様子が伝わってきました。勉強会後の懇親会にも参加し楽しんでもらえたようで、背中を押した身としても嬉しい限りです。

私自身がイベントを楽しむのも大切ですが、「技術的に近い隣のコミュニティ」の人の参加を支援したり、初参加の人と運営をつなげたりすることも最近の楽しみの一つになりつつあります。これはYAPC::Hiroshima 2024でそーだいさんのスライドにあった「次の人に水の場所を教えてあげる」にも通じるかもしれません。

私がぺちおだに参加する理由

私が関わっているカイポケのリニューアルプロジェクトはPHP以外の言語で開発されており、私自身も現在PHPを積極的に書いているわけではありません。過去にPHPを使ったプロジェクトに携わったことはありますが、それも今では昔の話です。

それでも昨年に続き今年もぺちおだに参加した理由は、「PHPコミュニティの居心地の良さ」と「ぺちおだの圧倒的なホスピタリティ」にあります。

PHPコミュニティの居心地が良い

今でこそ色々な技術コミュニティに参加している私ですが、私が初めて参加した技術コミュニティはJAWS-UG(AWS User Group – Japan)のJAWS DAYS 2014で、その次がPHPカンファレンス2015でした。特にPHPカンファレンス2015では初参加にもかかわらずスタッフに応募し、多くのPHPエンジニアの先輩や友人ができました。

一昨年まではカンファレンス運営スタッフとしても積極的に参加していましたが、地元北海道へのUターンを機に参加できなくなったコミュニティも増えました。PHPコミュニティもその一つです。そんな状況でのぺちおだ2025参加には不安もありましたが、PHPコミュニティの皆さんは温かく迎えてくれました。こうした居心地の良さがあるため、日程が合えばまた参加したいと思えるのが私にとってのPHPコミュニティです。

ぺちおだの圧倒的なホスピタリティ

ぺちおだでは参加者が楽しめるような仕組みがいくつもあります。昨年のぺちおだ2024では前夜祭にIRT (Interactive Round Table) が行われ、本編参加前に参加者同士で交流を深めることができました。

PHPカンファレンス福岡2023での体験が色濃いのですが、全然野菜・前夜祭があったことで、みんなと仲良くなれた体験、あの設計の素晴らしさを小田原でも再現したかったため、公式で前夜祭を企画しました。 コミュニケーションに重きをおきたいため、IRTを行い、そのあとはみんなで飲みました🍺

asumikam.com

参考 : IRT: Interactive Round Table を実施します
blog.phperkaigi.jp

去年に引き続き行われた「1分間フィードバック」に加え、今年は参加者の交流を深めるための新たな取り組みとして「ぺちおだ大合戦」が実施されました。

前夜祭

6人程度で1つのテーブルを囲み、乾杯と自己紹介(テーマは事前に運営から提示)が行われました。ドリンク片手に小田原の美味しいピザを食べながら談笑し、その後セッションとLTが始まります。ぺちおだ2025では「1分間フィードバック」という仕組みがあり、登壇者の発表後に1分間で付箋にフィードバックを書き、ホワイトボードに貼るというものでした。会期後のアンケートよりも気軽にフィードバックでき、印象が新鮮なうちに意見を伝えられる良い取り組みだと感じました。

付箋によるフィードバック

当日

一通りセッションとLTを聴き終わった夕方からは3人1組の「ぺちおだ大合戦」というチーム戦があり、参加者同士で大いに盛り上がりました。

ぺちおだでは、参加者同士のコミュニケーションを大切な軸の一つとしています。それを体現するコンテンツとして、参加者同士でランダムなチームを組んで競い合う、チーム対抗バトルを開催しました⚔️

note.com

note.com

ぺちおだ大合戦は春の陣・夏の陣・秋の陣・冬の陣の4つに分かれています。

  • 春の陣:スポンサーブース巡り
  • 夏の陣:PHPの関数をテーマにしたゲーム
  • 秋の陣:PHPやWeb、小田原に関するペーパーテスト
  • 冬の陣:HTTPステータスコード百人一首

各陣にはチートシートやドキュメント、公式noteに散りばめられたヒントもあり、多くの参加者が迷わず楽しめたと思います。特に冬の陣のHTTPステータスコード百人一首は、PHPに馴染みのない私や知人も問題なく参加でき盛り上がることができました。読み上げられたステータスコードに対して「これは自信があった!」とか「一度も使ったことがない」などの短い感想戦が繰り広げられていたのが印象深いです。

まとめ

PHPカンファレンス小田原2025にて技術コミュニティについて考え発表してきた話でした。私はここ数年でそこそこ登壇するようになったのですが、5分のLTは人生初でした。資料作成にも発表の時間調整にも苦労しましたが、多くの方からポジティブな反響を頂けたので苦労の甲斐がありました。次はJAWS-UGにてPHPコミュニティに参加してみようという逆側の発表を画策しています。

私の主観ですが、ぺちおだは「学び」だけでなく、参加者同士の交流やイベント自体を楽しむことを重視しているカンファレンスだと感じます。現在、業務でPHPを使っていない私のような人でも参加しやすく、随所に楽しめる工夫が凝らされていました。コミュニティ運営に携わる身としても多くの学びがありました。改めましてぺちおだに関わる全てのみなさま、ありがとうございました & お疲れ様でした。

最後に一膳飯屋 八起さん (ぺちおだ会場のお隣) で食べた「小田原”鯵の鍋焼きご飯”」 がはちゃめちゃに美味しかったので置いておきます。