テックブログに記事を継続的に出すための取り組み

エス・エム・エスのテックブログ編集チームの髙木です。

弊社のテックブログは2021年3月3日に1本目の記事が公開されており、今年で5年目になります。ちなみに1本目の記事はこちらです。

僕がブログ編集チームに参加したのは2023年4月からなので、いつの間にか2年が経ちました。記事自体はある程度コンスタントに出ているブログではありますが、うまくいった取り組みもあればうまくいかなかった取り組みもあります。このあたりをシェアできればと思います。

ブログ編集チームについて

弊社のブログは編集チームによって運営されています。各々が開発チームに所属しながら有志として活動しているようなチームです。したがってプロジェクトが忙しいタイミングでは参加できず、他のブログ編集メンバーにお願いするような状態で運営しております。現在は数人で運営しています。

役割としては、以下の4つです。

  1. 記事のテーマの提案
  2. 原稿の添削
  3. はてなブログへの入稿やサムネイルの作成
  4. 社内への宣伝

うまくいっていないこと

まずうまくいっていないことから共有します。うまくいっていないことがある前提でうまくいっていることを共有できたほうが現在の状態が把握しやすいと考えたためです。

自発的に書きたい人が出てくる仕組みづくり

それなりにアクティブに投稿できている弊社のブログですが、これらのほとんどはブログ編集チームや採用担当から話を持ちかけることが多いです。比率的には 編集から持ちかけ:執筆者の持ちこみ=5:1 ぐらいの感覚です。

編集担当者からの執筆依頼がベースになっているため、スケールしにくい問題があったり記事がなくて投稿できない週が発生したりしています。わりとゆるい運営でやっているので大きな課題にはなっていませんが、投稿を安定させるためには自律的に投稿したいと思える仕組みづくりが必要かなと思っています。

また編集担当者からの持ちかけだと、相手の都合やモチベーションがないなど断られることもそれなりにあります。依頼をして断られるというのは当たり前です。当たり前なのですがやっぱり最初は精神がすり減ります。僕自身は2年ほど担当する中で慣れたのですが、慣れるまではしんどい気がします。そのため自律的に投稿者を募れる仕組みがあるとブログを運営するという意味で安定すると思います。難しいことだとわかりつつ今後も模索していきたいです。

技術的な記事が出にくい

弊社のブログは技術そのものにフォーカスした記事というよりもプロジェクトやプロダクトにフォーカスした記事が出やすい傾向にあります。このブログを愛読してくださっている方はご存知かもしれませんが、技術にフォーカスした記事は1年で数本しかでない傾向にありました。

ただ、昨年弊社のZenn Publicationが始動したことで状況が少し変わりました。

結果として技術そのものにフォーカスした記事はZenn Publicationで以前に比べると活発に投稿されるようになりました。

このことから考えるに、弊社の特性として技術的な記事が投稿されなかったのではなく、技術的な記事を投稿しにくい雰囲気があったり投稿までのステップが重かったのだと思います。Zenn Publicationは入稿までのステップが個人で完結するようになっていることで、気軽に投稿するというアクションが取りやすくなったのだと思います。

厳密に決まっているわけではありませんが、プロダクトや会社の情報を扱うものはテックブログ、技術単体にフォーカスした記事はZennという棲み分けができたことで、ジャンルによらずアウトプットがしやすい環境になったと思います。テックブログとしては技術的な記事が出にくいという課題は抱えたままですが、社としては技術記事がアウトプットされるようになったので良かったと思います。

うまくいっていること

週次ミーティングの運用

ブログ編集チームでは、週次ミーティングを行い以下を実施しています。

  • 記事の進捗確認
  • 記事の添削
  • 記事の候補探し

進捗確認や添削などがうまくいっているというところもありますが、ミーティングをスキップせずに毎週取り組めていること自体がうまくいっていることだと思います。メンバー都合で参加できない週はありますが、誰かは必ず参加できるようなメンバーで構成できていることに意味があると思っています。毎週必ず実施し、スケジュールが把握できていることで結果としてブログ記事が定期的に出せているように思います。

異なるチームのメンバーで構成されているため情報が多い

チームはそれぞれ状況が異なるため、持っている情報や見えている環境も異なります。そのため複数の所属でチームが構成されていることで、社内の情報が見えやすくなるように思います。現在は執筆依頼を前提にしたオペレーションとなっていることもあり、いろいろな人の状況が見えるようになっていることでアイディアを見つけやすくなっているように思います。

採用担当が絡むことで幅の広い情報が出る

採用担当と定期的にコミュニケーションを取るようにしております。採用担当は横断でいろいろなプロジェクトの現状を把握しているため、プロジェクトの状態に応じたアイディアをもらえることが多いです。

テックブログに採用の色が強く出すぎてしまうと、読み手にとって得られるものがなく意味のない記事になってしまうと思っています。それはこのブログを運営する我々にとっても広いインターネットの海で偶然にもこの記事にたどり着いてくださった方にとっても不幸なことです。そのため採用担当に関わってもらってはいますが、記事の内容については基本的に編集チームと執筆者で決めて、採用目的になりすぎないよう気をつけています。やっていることの工夫や反省が読む人にとって価値になると思うので、俯瞰的な記事アイディアをもらえる採用担当には継続的に関わってほしいと感じています。

編集担当者がばらついている

記事を執筆するに当たり、ブログ編集チームから1人が担当し執筆者をサポートしています。人数に余裕があるということもありますが、編集担当者が特定の個人に依存していないというのは良いことだと思っています。編集担当者がつくことによって記事の質は上がりますが、その仕組み自体をつくるにはどうしても人が必要ですし、特定の個人に依存していると同時に制作できる記事の数に限界があります。ブログ編集チームをアクティブに動ける人たちで形成できたので、記事を定期的に出せているのだと思います。

一方で編集担当者がつかないと記事を出せないということでもあるため、自分たちがボトルネックにならないように活動はしていければと思っています。

社内ドキュメントを利用したLLMによるネタ探し(試験運用中)

ネタに困ったときには弊社のドキュメントをLLMにインプットとして与え、テックブログの記事として使えそうなアイディアを探させています。弊社は esa に技術的な取り組みや課題や考え方などさまざまな文章が保存されているため、その内容からアウトプットを得ようとしています。

記事にできなさそうなものがほとんどですが、たまによさそうなものが見つかったりしています。社内の取り組みを知ることもできており、役に立つかどうかはおいておいて今後も続けていきたい施策です。

この取り組みは、 @_kimuson の貢献が大きくいつも助けてもらっています。_kimusonが執筆した記事もいくつかでているのでよろしければ読んでみてください。

やっていないこと

記事の評価

現在は記事のPVや伸びたかという評価は行っていません。行っていないというか難しいからできていないというのが正しい表現だと思います。

インターネット上に投稿された記事の貢献とは、プレビュー数のようにわかりやすく数値で見えるものもあれば読者への貢献度など数値で見えないものもあると思います。1つの記事によって価値を最大化しようとすると検討のフェーズが挟まってしまい記事を出すことのハードルが高くなりすぎてしまいます。もし毎日100本の記事が生まれるのであれば実施したほうが良いと思いますが、今のフェーズでは月に数本しか記事は出ないので考えなくても良いと思います。

最後に

今回はテックブログ自体の運営やうまくいっていることなどを整理してみました。おそらく会社によってテックブログの運営や役割など多岐にわたると思います。今後も皆さんに役立つ記事を公開できればと思います。