作らない技術

この記事は株式会社エス・エム・エス Advent Calendar 2025の22日目の記事です。

はじめに

こんにちは! ウェルミージョブシカトルカイゴジョブアカデミーでエンジニアリングマネージャーとプロダクトマネージャーを担当している豊濱です。 自己紹介は先日の記事をご覧ください。 tech.bm-sms.co.jp

今回は「作らない技術」についてお話します。 ものづくりに関わるコストや時間が大きく減らせる時代になったからこそ、こういった視点を持って取り組むことで本質的な課題に取り組めるのでは、と考えています。

いつもやっていること

プロダクト開発に関わっている方は、細かい違いはあれど概ね以下の流れで進めていることが多いのではと思います。

  1. 現状や市場、顧客の分析
  2. 達成したい目的はなにか
  3. 提供できる価値はなにか
  4. プロダクトとして提供すべきものはなにか
  5. 設計、開発、テスト、リリース
  6. 検証
  7. 1〜3番あたりに戻り、発展させる

ものづくりをするために、感覚や定性ではなく、目的や価値を明確にして、チーム全体で同じ目線を持って取り組むのはとてもいいことです。 ただそれを検証するために「なにかものを作らないといけない」という流れが当然になっていないでしょうか。

なにかを作るには人件費やインフラ・アプリケーションの構築、リリースをするのであれば運用やメンテナンス・顧客対応、そしてそれらをこなすための「時間」など、投資が必ず必要になってきます。そこへ至る前にまだやれることがたくさんあるのでは、と考えています。

作らないための工夫

いまあるものの組み合わせや見直しでどうにかする

  • 社内ツールの使いづらさを解消したい
  • リードタイムを短くしたい
  • 人的リソースを最適化したい
  • 複雑なフローをなくしたい

こういった目的や成果をもって進めることはよくあります。

新しいプロダクトで価値提供するのが適切な場合もありますが、いまあるフローをガラッと変えるのも大きなコストと時間がかかってしまいます。

  • いまの複雑なフローを全く新しいシンプルなものにする
    • →いまのフローのなかで、待ちが発生している部分を並列化する
  • 複数ある管理画面を1つに集約する
    • →複数の管理画面は変えず、まずはデータの連携を人手(コピペ)でやっている部分を自動化する

といったところから入るのも次に進める大きな一歩だと考えています。

現状の理解や可視化に時間がかかってしまうのでは、という見方もありますが、なぜそれが存在しているのか?を確認することは新しくプロダクトを作るにしても必要なプロセスなので、全く無駄になるとはあまり考えていません。

そのプロダクト・業務をなくしたらどうなるのか

もはや、作らないどころか作ってあるものをなくす話になっていますが、いまあるものが本当に必要なのか、という検証もやっていくべきです。

  • なくすことで失われる価値はなんなのか
  • 維持していくための投資を鑑みるとどうなるのか
  • 新しくプロダクトを作って移行させるコストとのトレードオフはどうなのか
  • 実はなくすだけで、目的が達成できるのではないか

もちろん、単なる投資対効果やトレードオフだけで判断できるわけではありませんが、発想として「なくしてみる」も考えていくのが大事だなと思います。

まとめ

さまざまな技術ソリューション・近年の生成AI・IDEに代表されるツールによって、10年前に比べて作るハードルは圧倒的に下がり、作りながら試行していいものに発展させていく、というのがスタンダードな時代になってきました。

そんな時代だからこそ、「いかに作らずに成果を出せるか」みたいな視点を持っておくのも1つの「技術」なんじゃないかなと考えて、こんなタイトルをつけてみました。