はじめに
みなさん、こんにちは!! 株式会社エス・エム・エスの川名と申します。
私は2024年7月にエス・エム・エスに入社し、人材紹介事業の業務基盤を開発する「BPR推進部 キャリア横断開発グループ」でテックリードを務めています。
この記事では、BPR推進部におけるテックリードのミッション、そして日々の課題にどのように向き合いながら事業貢献に紐づけているのかを、具体的な事例を交えながらご紹介したいと思います。
この記事を通してエス・エム・エスで働くことのやりがいや現在抱えている課題なども共有することで、皆さんが当社で活躍いただくイメージを持つ一助となれば幸いです。
我々のエンジニア組織については、弊社及川の記事『Team Topologies で社内ユーザ向け業務システムを開発する組織を再設計してみた』をご覧いただくことで、よりイメージが具体的になるかと思いますので是非ご覧ください。
自己紹介
簡単に私の経歴についてお伝えさせてください。
私はエンジニアになる前、工業製品の生産部門で1工程を担当していたのですが、製造にはある程度の型があり、その基準通りに生産する事だけが成果となっている事に個人的に違和感がありました。
生産数や品質をキープしながら、継続的にアウトプットし続ける仕事の大変さや重要性を理解する一方で、どのようにすればより良いアウトプットになるのか?そのための仕組み作りや設計に楽しさを見出し、それが実現できそうなソフトウェアエンジニアの道に進みました。
ソフトウェアエンジニアとしては、SIerのWebエンジニア、事業会社(小売)の情報システム担当、SaaS企業のコーポレートエンジニアとキャリアを積んできました。
コーポレートエンジニアになってからは、経営や事業部からの要求を直接ヒアリングし、要求を技術でどう解決するかに注力してきました。具体的には、Salesforceを中心としたCRM/SFAのカスタマイズや外部システム連携による業務プロセスの自動化、GCPやAWSを活用した連携基盤の構築、各種SaaSの導入・運用サポートによる生産性向上などが主なミッションでした。
単にシステムを導入/開発するだけでなく、それがビジネス価値にどう繋がるかを常に意識し、最適な技術選定やアーキテクチャ設計、コミュニケーション、DevOpsなどが得意な領域です。
私が感じるコーポレートエンジニアの魅力
職歴の中でも特にエンジニアとしての楽しさがより増したのが、コーポレートエンジニアとして活動し始めた頃です。SIer時代は開発するものが概ね決まっている事が多く、本質的には「どのような型や基準を作るべきなのかを考える事」がほとんどハンドリング出来なかったように思います。
コーポレートエンジニアというロールの魅力はエンジニアリング面からビジネスのOps改善を事業部と一緒に進められたり、より良いアーキテクチャを自分たちで考えたりしながらビジネスに貢献していける点です。
コーポレートエンジニアはステークホルダーと近い距離でコミュニケーションをとりながら、技術的な解とビジネス要求のバランスを取る難しさと面白さがあると感じています。
エス・エム・エスに入社した理由
上記のようにやりがいのある日々を過ごしていましたが、そんな中でも転職しようと思ったきっかけは、自分自身がまだまだ成長出来ると感じた事でした。
よりチャレンジングな環境で自分を成長させながら、それを事業成長に繋げられる事が実感できればより有意義なキャリアになると考えたのです。
転職活動を開始し、幸いなことにいくつかお声がけをいただく中で、最終的にエス・エム・エスに入社を決めた理由は以下です。
- 社会貢献度の高い事業且つ業界におけるシェアが大きい
- 規模感が大きい+エンジニア組織へのコミットメントから、「自身が最も成長できそうな環境」だと感じた
- オファー面談のメッセージに感銘を受けた
事業規模についてですが、エス・エム・エスは医療介護領域の人材紹介事業において大きく社会に貢献しているプレーヤーだと感じました。これほどの規模の事業を支えるエンジニア組織の成長に興味があったというのが最初のきっかけでした。
その後、Team Topologiesを利用した組織構造の改変や組織ミッションの見直し、アジャイルな組織への変革を行なっていることを伺い、この規模でありつつモダンな取り組みを行なっている事がとても魅力的だと感じ、結果的に自分の次の成長を実現するフィールドとして最適だと感じたのです。
所属する組織とミッションについて
当社エス・エム・エスには、全社の業務改善を推進する「BPR推進部」があります。その部内に、医療・介護業界の人材不足を解決する社内業務システムを開発する「キャリア横断開発グループ」が設置されています。私はその一員として、従事者様と事業者様をつなぐことを価値とした機能開発を担当する、「マッチングチーム」のテックリードを務めています。
キャリア横断開発におけるテックリードの役割
事業部やBA(ビジネスアーキテクト)といったロールのメンバーと日々コミュニケーションを取りながら、バックログアイテムの整理、最適なアーキテクチャ設計、リアーキテクティング、レビュー、リリース調整、運用、場面によって自ら実装を行うなど、開発ライフサイクルにおける全体を見ながら推進する役割になります。BAやチームリーダーがWhat/When/Who/Whyなどに重きをおき、テックリードとしてはHowを主軸にWhat/Whyも深掘りしていきます。
参考までに弊社のビジネスアーキテクトについては西田の記事を、チームリーダーに関しては井上の記事をご紹介させていただきます。
ビジネスアーキテクト × Salesforce:改善だけで終わらない、戦略推進と戦術実行を追求する
BPR推進部の開発リーダーとしての取り組み
テックリードの具体的な活動
ここからは私がチームの中で日々どのような観点で仕事をしているのか、さらに課題感や今後の展望などについてシェアさせていただければと思います。
私たちのチームではスクラムを用いてプロダクト開発を行っているので、今回はスクラムのイベント(プランニング、デイリースクラム、スプリントレビュー、レトロスペクティブ)を軸に活動をシェアできればと思います。
スクラムイベントへの関わり方
スプリントプランニング
プランニングでは新たなスプリントでのゴール設定、取り組むべきバックログアイテムをチームで決定していきます。優先順位についてはチームリーダーやBAと会話をしながら調整し、開発視点で実現可能なラインを決定していきます。タスクの規模感についてはリファインメントという設計の時間を設けていて、そこでアーキテクチャなどをチームで共有しながら事前に算出する作業を行っています。アーキテクチャ検討時には既存のコードベース、技術的負債やスケジュールなど、トレードオフを考慮しながら、最終的にどこまでやるべきかを考えながら決定しています。ここがとても難しいところではありますが、醍醐味でもあると感じています。技術的にあるべき姿を考えながら具体化していく活動は、エンジニアにとってとてもやりがいのあるミッションだと思っています。
デイリースクラム
毎朝行っているデイリーでは主に開発メンバーから出たブロッカーについて確認するようにしています。テックリードという立場としては技術的観点で方向性について改めて議論が必要になった場合にスプリントゴールの達成に向けて各種調整を行なっていきます。私はデイリーだけでなくタスクを進める上で困ったことがないか?などをMTGの最後などに軽く聞くなどして発信しやすい環境づくりを心がけています。そうすることで1人だけでタスクをこなしているという感覚から、チームミッションとして捉え、全員でゴールに向かって動けるとメンバーに感じて欲しいからです。
スプリントレビュー
スプリントレビューではチーム内で「受け入れ要件」と「完了の定義 / Definition of Done (DoD)」の確認を行い(プロダクトレビュー)、ステークホルダーのレビューはスクラムイベント外で実施しています。この時、当初の見積もりと異なっていた点や改善出来そうな点や疑問点などをチームでディスカッションしながら次のプランニングに向けて改善内容を確認していきます。またリリース後については事業部メンバーに利用状況などをヒアリングする場面もあります。
レトロスペクティブ
スプリント終了時の振り返りはKPTを利用してディスカッションしています。また今期からFour Keysを軸とした開発生産性指標のメトリクスをFindy Team+で確認する取り組みを開始しました。コミットからオープンまでのリードタイムやオープンからレビューまでのリードタイムなど各種KPIをスプリント間で比較しながら、要因の深掘りをすることでより良い開発体験を実現するための情報収集やファシリテーションを行なっています。
上流での関わり方
テックリードという立場は基本的に「How」に責務を持っています。「こういうものが欲しい」という要求があって、どう実装すべきかという「How」を考えて具体に落とし込む作業です。
しかしながらエス・エム・エスでは何を作るべきなのか?という事業部やBAとのディスカッションにも関わることができる楽しさがあると思います。
時間的な制約もあるので全ての会話に入ることは難しいのが現実ですが、大規模なテーマの改善においては開発者として参加することができ、「エンジニアだから事業の事は分からないだろう」といった空気感もなく、分からない事も丁寧に教えていただく事が出来る点がとても助かっています。これは各自が弊社の理念を大切に思い、「情熱」「誠実」をもって「プロフェッショナル」であることを追求する という考え方を基本としていることから生まれている文化だと思います。
開発生産性向上に向けた取り組みとその意義
今期、私たちのチームおよび組織全体では「開発生産性の向上」を重要テーマとして掲げ、さまざまな取り組みを進めています。
私たちが担当するモノレポは、10年以上にわたり機能追加と改修を重ねてきた結果、現在では認知負荷の高さや技術的負債の蓄積が課題となっています。こうした背景の中で、いかにして継続的に価値を届け続けるか、どのように開発生産性を高めて変化に強い開発体制を築くかが、私たちにとって喫緊のチャレンジです。
このような取り組みを通じて、「高齢社会に適した情報インフラを構築することで人々の生活の質を向上し、社会に貢献し続ける」 というエス・エム・エスのミッションを、より高い次元で実現していけると確信しています。
なお、開発生産性向上の取り組みについては、エス・エム・エス BPR推進部にて導入している、経営と開発現場をつなぐ戦略支援SaaS「Findy Team+」をぜひご参照ください。
We are hiring!!!
私が考えるエス・エム・エスで働く魅力は、社会が抱える大きな課題の一つである高齢化社会の領域で貢献していけることにあると思っています。
同時にとても難易度が高い領域であるとも感じていまして、まだまだエンジニアの手が足りていない状況です。
今回の記事を読んで共感いただけた方、共に成長しながら社会に貢献していきたいと思ったエンジニアの方、ぜひ一度カジュアル面談などでお話しましょう!